石けんひとつで、家事をシンプルに。<後編>
2017年 10月 17日
先日アップした石けん生活、後編です。
☆前回の記事はこちら
今日は、洗濯機での石けんの使い方について。
わたしが石けん生活をはじめたのは、約10年前。
子どもが生まれ、それまで意識したことのなかった合成洗剤のことや、
環境への負荷について学ぶにつれて、
「家で使う洗剤類はできるだけシンプルにしよう!」
と思い立ったのがきっかけでした。
けれど、最初はもちろんうまくいかず、
洗濯機がカビだらけになってしまったり、うまく汚れが落ちなかったり。。
洗い上がりは問題なくても、洗濯してしばらくたつと、
もわっと臭ってくる油のにおいにも悩まされたものでした。
しかも冬は極寒の町家に引っ越してきたものだから、
石けんがうまく溶けない冬場は石けんをお休みし、合成洗剤のお世話になったり。
友だちから「いいよ~」とうわさを聞けば、
「松の力」や「海へ」など、いわゆる自然派洗剤などを使ってみたりと、
試行錯誤する日々でした。
でも、自然派のものは値段も高いし、使用量が少ないのでちゃんと落ちてるのか不安なこともあり・・・
ネットでしか買えないことが多いので、そうなるとまとまった数量を注文しなくてはならず、
狭い町家ですからストック場所もないし・・・で結局やめてしまいました。
そんなわたしが、一年を通して石けん生活を完遂?!できたのは、
じつは昨年の夏のこと。
きっかけは、それまで使っていた全自動洗濯機が壊れたことでした。
この記事にも綴っていますが、
夏場だったこともあって、洗濯機が壊れてからしばらく洗濯板での手洗い生活をしていました。
それで気付いたことが、
洗濯ものによって、汚れの度合いがまったく違ったこと。
全自動はなんでもポイポイ放り込んでしまえば、
機械が勝手にやってくれるのでたしかに便利。
けれどそれに甘えて、「汚れの種類にふさわしい洗濯」が、
ちゃんとできていなかったのでした。
汚れが落ちないことや石けんを上手く活用できないのは、
使っている洗剤のせいではなく、
なんでも一緒くたに洗ってしまっていた、
使い方のほうにあったのでは?
と気付いたのです。
そんなことがわかってから、また石けんについて勉強をしなおし、
・石けんの使用量のベストなバランス
・石けんと組み合わせて使うといい助剤(アルカリ剤)の存在
・汚れの具合によって洗い方を変えること
を知り、目からうろこ。
石けん生活を送る上でベスト!
な二槽式洗濯機の購入を決めたのでした。
無添加の石けんは前回のブログでもお伝えしたとおり、
家事全般に使うことができて、とっても便利。
けれど洗濯に関しては、誤った使い方をすると、
汚れがちゃんと落ちなかったり、においやカビの原因になったりします。
だから、洗濯には「アルカリ剤」をプラス。
すると、水がアルカリ性に傾くので
石けんの持つ洗浄力をアップ!
そして、
カビの発生をおさえ、
石けんの量を減らすことができる!
のです。
わが家で洗濯のときに助剤として使っているアルカリ剤は、この二つ。
セスキ炭酸ソーダ
そして、
過炭酸ナトリウム
セスキと過酸化ナトリウムはどちらも水をアルカリ性にしてくれます。
違いはざっくりと言えば、漂白効果があるかないか。
セスキは常温でも水をアルカリ性にしてくれますが、漂白効果はありません。
過炭酸ナトリウムは「酸素系漂白剤」として売られていますが、
なぜ衣類を漂白できるのかというと、理由は
過炭酸ナトリウムが「水」と「活性酸素」とに分解する作用にあります。
過炭酸ナトリウムが分解する作用によって、活性酸素が衣類を除菌、漂白してくれ、
その後は水と酸素に分解されるので環境への負荷も低いのです。
ただ、その効果がはたらくのはある一定の条件があります。
それは後ほど・・・・
ふだんの洗濯にはセスキを。
こんなふうに、洗濯槽にセスキを大さじ1杯程度加え、
水をためて石けんを溶かします。
写真のように、あふれんばかりのもこもこの泡を充分たててから衣類を入れ、
洗濯をスタートします。
石けんの量は多すぎても少なすぎても×です。
衣類を入れて、すぐに泡が消えてしまうのは石けんの量が足りない証拠。
量が適正でないと石けんかすが出たり、においが残ってしまうので、
こんなふうに、洗濯物の量と汚れ具合に合った量を使うようにします。
これだけ見ると、「めんどくさそう・・・」
って思われますよね(笑)
でも、この石けんでの洗濯は毎日でなくていいのです~!
石けんで洗うのは、
子どもの食べこぼし、何度も着て汚れた上着類、ひどい泥汚れなどがあったときのみ。
あと、意外に汚れている夫の肌着類とか(笑)
ふだんの軽い汚れにはセスキ炭酸ソーダのみでじゅうぶん!
ふだん着の洋服の汚れは軽い皮脂汚れがほとんど。
セスキは水に溶かすと弱アルカリ性になり、軽い鹸(けん)化能力(脂汚れを洗浄する力)があるので
石けんを使わなくても汚れが落ちるのです。
(30分以上つけ置きしておくと汚れがよく落ちます。)
使う量は、わが家の洗濯機で(40Lぐらいかな)大さじ1程度。
それ以上入れると洗濯物に独特のにおいが残るので、要注意です。
次に、
もうひとつのアルカリ剤、過炭酸ナトリウムの使い方。
わが家では主にふきんの煮洗いに使います。
そう、さきほど言っていた過炭酸ナトリウムが分解する条件とは、
「熱」と「水」が条件なのです。
ふだんは洗濯機で洗いますが、
色がくすんできたな・・・匂いが気になるな、と思ったら、煮洗いです。
でも、
「煮洗い」といえど、ぐつぐつ煮るのはNG!
鍋(2L)に水を張り、ふきんを入れたら、
小さじ1ほどの過炭酸ナトリウムを入れて火にかけます。
しばらくしてシャンパンのような小さな泡がたってきたら、火をとめます。
このとき温度は50度~60度ぐらいになっています。
この温度が、
過炭酸ナトリウムがいちばん漂白力・除菌力を発揮する温度なのです。
それ以上煮ても、残念ながら漂白成分である活性酸素は出ません。
あとは自然に冷ましてから洗濯すると、
洗い上がりは真っ白!イヤな匂いも消えていますよ~。
過炭酸ナトリウムは、
洗濯槽のカビとりや、風呂窯のカビとりにも役立ちます!
一ヶ月に一回ほど、洗濯槽にお湯を張って過炭酸ナトリウムと石けんをいれ、
一晩放置するとすっきり・・・!
画像のように、二槽式洗濯機のパーツも時々分解して過炭酸ナトリウムでつけおき。
makitaのパーツも分解して同じようにつけおきして掃除します。
汚れが目に見えてういてくるので、それもなんだか気持ちいい(笑)
最初はお恥ずかしながら(笑)エコを聞きかじってスタートした石けん生活でしたが、
知れば知るほど奥が深く、おもしろいなあと思う今日このごろです。
こんなふうに、それぞれ組み合わせて使えるので
専用の洗剤をいくつか持つ必要がないことがいちばんのメリットかなあ。
買い置きのスペースも取らないし、
収納場所のない我が家のような町家にはちょうどええなあ、と思うのです^^
著書、ぶれない暮らしでも書きましたが、
エコも、中途半端ではただのエゴ。
それよりも、
自分の暮らし方にフィットしているか。
続けてみて、心地いいかどうか。
そして、なにより自分が
「家事って、くふう次第で楽しくなるんだ!」
と実感できるかどうかなのかなあ、と思っています^^
気になっておられる方は、「石けんひとつのシンプル家事!」
ぜひトライして、楽しんでみてくださいね~。