Aちゃんへの手紙。

 
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 Aちゃんへ


 大事な娘ちゃんのこと、わたしなんかに相談してくれてありがとう。

 もうじゅうぶん大人とおなじように口がたつし、腹が立つよね。
 10歳になるうちのゴンも屁理屈がすごいよ~。

 けど、カチンとくるのは意外と図星だったりするのかも(笑)。
 歳とるとだんだん誰かに叱られたりすることって減ってくるから、
 そういうときは自分のことを見つめなおせる、いい機会なのかもしれへんね。

 Aちゃんの、親としてちゃんと教えてあげたい、
 導いてあげたいって気持ちはすっごくよくわかる!

 けど子どもってさ、
 親とか先生とかから「ダメですよ」って言われて素直にやめへんやんか?

 わたし自身そうやったけど、たとえ叱られてその場はやめたとしても、
 ぜったい見えへんとこではまたやってるはずやねん!

 Aちゃんもそうやったやろ?(笑)
 で、いまでも子どものころ叱られたことは、あいかわらず苦手やったりするやろ?

 だからな、ほんまの意味の思いやりみたいなもんはな、
 子ども同士で体当たりのケンカして、価値観ぶつけあってしか、
 理解できひんのとちゃうかなって。

  盗った盗られた、蹴った蹴られた、引っ掻きあいのすったもんだのケンカしてはじめて、
 「自分の正しいと相手の正しいはちがうもの」って体でおぼえるんやと思うねん。

 そっから、弱い相手をいたわるとか、
 自分にはなくて相手にしかないものを尊重する気持ちとか、
 自然とわいてくるんとちゃうかなあ。




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 そこまではめっちゃ時間もかかるし、流血も覚悟やで(笑)。

 けどな、こっちが腰をすえてじっくり見守ってるとな、
 ある日なんか、ぱっと変化するときがくるんよ。

 それに、そういうのを子どものときに経験できずに大人になってから経験するのはきっと、
 きついと思う。いじめなんかもだんだん陰湿になっていくしね。
 ケンカするなら子ども時代のほうがぜったいお徳よ(笑)。

 今の時代は特にさ、
 「これが正しい」「こうすべき」ってことが大声で言われがちだよね。

 ほんと、星の数ほど育児法とか、色んなテクニックみたいなんがあるけど、
 こんだけたくさんあるってことはそれだけみんな、悩みながら子育てしてるってことなんやろな。

 それに、子育てに正解なんて存在しない、ってことでもあるんやろうな。

 そりゃ、どうしても困ったときはそれにすがるときがあってもええとは思う。
 けどな、基本は「その時がくるまで見守る」でええと思うねん。




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 こういう話するとき、いつも引き合いにだすねんけどな。
 赤ちゃんは歩けるようになったから、歩くんじゃないねんな。

 「はい!わたし今歩けるようになりました~!今から歩きます!」って
 すたすた歩き出す赤ちゃんを、見たことないやろ?(笑)

 そうじゃなくって、ある日ちょうちょが飛んでいるのを見て、
 「わあ、すてき!あの黄色いひらひらしたものを追いかけたい!」って気持ちがめばえる。

 そして、よろよろ危なっかしく尻餅つきながら、時に派手にすっ転びながらもちょっとずつ、
 ちょっとずつ、歩けるようになっていく。

 ほとんどの赤ちゃんはさ、そんなふうに「まだ見ぬもの」を見たくって、
 歩くちからを身に付けていくんよね。
 そうやって自分のちからで世界の輪郭を広げていくの。

 それなのに、最近は周りの大人たちがよってたかってあの手この手で
 「歩かせよう」とすることがあるよね。
 歩くことだけじゃなく、喋ることとか、書くこととかもそう。

 ちゃうやろー。順序が逆なんよなー。
 そんなことしなくっても、歩きたくなったらしぜんと歩くようになるはずやのに。

 もし親が何かできるとすれば、どうやれば歩けるようになるか、
 じゃなくって、歩きたくなるにはどうするか、くふうしてあげることじゃない?



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以上、今回で最終回となるFU-KOのエッセイ第4回を、
抜粋して掲載しました。


まるで親しい友人への手紙のように、
わたしがこれから子どもたちと向き合うときに、
かならず心にとめておきたいことを、8Pにわたって書き綴りました。

1/5から書店にも並び始めた、発達障がい専門誌「きらりvol.4」に、
全文掲載しています。




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前回もお伝えしたとおり、「きらり。」は今回でいったん休刊となり、
今年7月のvol.5で大幅リニューアルします!





先日、編集長と新年会がてら打ち合わせしてきました。

残念ながら出版社という形ではなく、同人出版として仕切りなおしですが、
そのぶん、より自由に、より内容濃く取り組める予感がしています。

ご期待ください~!



☆vol.4ご購入はこちらから

→amazon

→みのりHP




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年末から開催していた9周年プレゼント企画。

昨日、
何と700件(過去最高!!)を越えるご応募をいただき、
エントリー期間を終了しました。





たくさんのご応募、そして温かなメッセージ、
ほんとうにほんとうにありがとうございます!!

ひとつひとつ、たいせつに読ませていただいて、
なんともうれしい気持ちにさせていただいています。
ほんとうにわたしは幸せものです・・・!

これからいただいたご応募の重複をチェックし、
週末までにデータをまとめ、抽選に入らせていただきますね。

もうしばらくお待ち下さい!








by fu-ko-handmade | 2018-01-09 10:38 | 発達障がい

手づくり暮らし研究家、FU-KOこと美濃羽まゆみのblogです。京都の古い町家から「ものを作る、幸せのかたちを作る」をテーマに、手づくりのあるほんのりていねいな暮らしを提案します。


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