わたしとモノとの付き合い方。
2016年 11月 25日

わたしのモノ選びは、時にじっくり。
時にさっぱり。
古いものや手仕事のものが好きなので、
時間をかけて選んでいるのですか?と聞いていただくことが多いですが、
実は全ての場合そうでもなく。
ふらりと入った雑貨店でたまたま目にしたものだったり、
旅先で手に取ったものだったり。
ネットショップで買ったものもあれば、近所のホームセンターでみつけたものも。
はたまた、粗大ゴミの日に道端に捨てられていたのを見て、
持ち主にお願いして持って帰ってきたこともあります。
節操ないですね(笑)

その際にルールにしていることは特になく、
やっぱり「縁」なのだと思います。
新品ならば、できれば使っていて手に馴染むよう、無着色のものがいいし、
作った人の思いも一緒に使っていけたら何よりだから、
作家さんのものであればなおいい。
使う風土に合っているから、国産のものであるのがベストです。
かごや工芸品なんかは、やっぱり受け継がれてきた技術もあるし、
若い作り手の人を応援したいという気持ちもあります。

だけど、これでなくては!と自分にとって完璧なものを求め続けるのは、
こだわりなく安価なものを使い捨てするのと同じぐらい、エゴなんじゃないかな。
たまたま、縁あって私のところに来てくれたモノたち。
そしてそれは値段や品質に関係なく、大なり小なり、
幾人かの人々の思いがあり、手をかけられて生まれてきたのだと思います。
だから、ここが気に入らない、あれが好きじゃない、
と勝手な理由を付けて手放してしまうのは、なんだかすこし寂しい気がして。
わたしがなかなかモノを捨てられないのは、これが理由やなあ。

それならば、使う場所を変えて。使い方を変えて。
自分で手を加えて、アレンジして。
モノを私になじませるのではなく、私がモノになじんでいく。
付き合い方を変えて、できるだけ使い切った状態で手放す。
手放したなら、すぐに同じものを買い足すのではなく、
無い状態をしばらく味わい、より自分にフィットした暮らしをイメージし、
新たにモノとの付き合い方を考えていく。
たぶん、戦時中苦労した母に「モノを大事にしないと化けてでるよ」って
さんざん脅されてきたからかもしれません(笑)
でも、モノを大切にすることで、モノもわたしを大切にしてくれる。
そんな気がするのです。

そんな、モノと私との付き合い方を、夏の終わりにNHKさんに取材いただき、
本日テキストが出版されました。

幸せになる暮らしの道具の使い方。
今回、わたしの本をたまたまご覧になった担当の方から、
ご連絡をいただきまた。
他にそうそうたる達人の方たちが登場されているので、
私なんぞが場違いでは・・・とためらい、最初はお断りしようかと思ったのですが・・・
ご担当の方が
「大きな家でなくても、子どもがいても、高価なものを持たなくても、
自分らしく暮らされているからこそ、ご紹介したいんです!」と熱く言ってくださり、
それならば、とお話をお受けすることにしました。
Eテレにて放映もあり、そちらは来年1月の予定です。
また日が近づきましたら撮影時の様子なども交えて、こちらでご紹介しますね。
