うっかり1週間ほったらかしにしてしまいました。
製作とマスクプロジェクトのことで、
まいにち充実した日々をすごさせていただいていました。
ありがたいことです。
さてさて、
前回前々回と続けて書かせていただいている、
「不安を遠ざけるために、心がけていること」
いよいよ「結」の部分をお話ししたいと思います。
わたしが不安を遠ざけるためにもっとも必要としたことは、
「手づくりすること」。
そして「できるだけていねいにやること」を今一度、意識して暮らすことでした。
もちろん、わたしは「手づくり暮らし研究家」と名乗っていて、
コロナ前から「手づくりのある暮らし」の価値を
すこしでも知っていただくために、いろんな活動をしてきました。
そんななか、講演会などでお話しするとき、
「失敗するのがこわくて」
「本当はそうしたいけれど、余裕がなくて」
と、ため息をつかれる方がしばしば、おられます。
そのたびに
「失敗することが大切なんですよ」
「忙しいときほど、やるとかえって余裕ができるものですよ」
と背中を押させていただくのですが、「でも・・・」とみなさん力なく微笑まれるばかり。
さらには「美濃羽さんだからできるんですよ」資質?性格?わかりませんが・・・
なんておっしゃる方も。
伝えたいのはそこじゃないんだけどな・・・
と、やるせなさのようなものを感じることもありました。
ゴン作こいのぼりケーキ。何度見ても笑える(笑)
たしかに、
自分で材料をととのえ、試行錯誤しながら作るのは骨がおれます。
むしろ、いまのような世の中では、
大量に作られた好みのものを見つけて買うほうが、よっぽど簡単、よっぽど安上がり。
わたしのところに相談にやってこられるのはみなさん優しい方ばかりなので、
せっかくの材料を無駄にしてしまうようなことがあったら、
と怖くなるお気持ちももちろん、とてもとてもよく、わかります。
「間違わない」選択って、ほんとにいいことなのかな。
失敗した、と思ったら軌道修正したらいい。
間違った、と思ったら謝ればいい。
失敗することで、私たちはたくさんのことを学びます。
失敗したとしても、自分がていねいに心を込めたぶんだけ、
真剣にむきあったぶんだけ、目の前の素材がたくさんの大切なことをおしえてくれます。
そして、間違いを許してくれる、人の優しさも。
ちょっとした失敗すら許されない空気が、社会のそこここにはたしかにある。
「自分でない誰かがやってくれるから」と、
自分の手をうごかさずにいることは、
人生の大切な選択を他人にまかせてしまっているということなんじゃないかな。
いや、人まかせにせずにはおれないほどに、
「えらぶ」ことに自信をうしなってしまっているのかも。
それまでに人々を疲れさせてしまっているものの、
正体はいったい何なのだろう。
講演会でのみなさんの力ない笑顔を瞼に浮かべつつ、
いつもいつも、ひとしきり考えこんでしまうのでした。

まめぴー作、粘土の和菓子。おいしそうやん!
でも、コロナとともに日々をすごしていくなかで、
その正体が徐々に、わかり始めてきました。
お店から生活必需品が消え、荷物は届かず、
医療はひっ迫して外出や両行もできなくなり、
当たり前だったことが、当たり前でなくなって。
いままでの快適な暮らしが、いかに大きな犠牲によってなりたっていたか、
まざまざと突き付けられたこの数か月間。
今までわたしたちはちょっと、楽をしすぎていたのかもしれない。
わたしたちの楽をなりたたせるために、
どこかで犠牲になっているだれかがいることを、
わたしたちは想像だにしていなかった。
コロナによってたくさんの「便利」が失われたけれど、
そもそもそんなもの、ただの張りぼてだったのかもしれません。
それなのに「もっと早く」「もっと合理的に」と焦るあまり、
「自分でつくる」から縁遠くなり、「自分でえらぶ」自信がなくなって。
手づくりすることって言いかえれば
「自分でえらび、自分の頭でかんがえること」。
手づくりってたしかに効率的でも合理的でもないかもしれない。
失敗だってつきものです。
けれどそれは大切な判断を「人まかせにしない」ことでもある。
やってみたかった、ボウルでプリン。おなかいっぱい(笑)
自粛生活のなかで、
手づくりにチャレンジした方も増えたと聞いて、とてもうれしくおもいます。
自分で食べるもの、自分でつかうものを自分でつくることが、
癒しになったり、自信につながったという方は多いんじゃないかな。
きっと、そんな経験をされた方はこれから大きな気づきがあるとおもうし、
世の中の見方も大きく変わっていくと思います。
これを機にもっともっと
多くのひとにとって手づくりが身近になりますように。
そして「自分にとって必要なものを自分の手でつくりだせる」自信を、
ひいては「大切なことを自分でちゃんと決める」勇気を、
たくさんの方に持ってもらえますように。
わたしもこれまでよりいっそう、
手づくり暮らしの魅力を発信していきたいなと思っています^^
なんだか想いがあふれてたくさんになってしまいましたー
最後までお読みくださりありがとうございました♪